新学期 ご飯の場所、仕切る?仕切らない?

担当制で食事をすすめると、食事の時間には食べている子どもたちと、あそんでいる子どもたちがいます。

そこで、ご飯が始まると、子ども達が泣くから…近寄って行ってしまうから・・・・と、食事の空間を最初から仕切る園が出てきます。(多くの場合、常にこの空間が仕切られているので、あそぶ場所も狭くなります)

でも!!この仕切りはいつかは外さないといけないんです。

0歳児クラスの最後まで仕切りをなくせなかった場合、1歳児クラスになってから「ご飯のところに行かないよ、あそんで待っていようね」を少ない大人で伝えなければいけないという大変な状況が待ち受けることになります。

でも、0歳の最初から仕切りがなければ、そして、食事の順番(つまり、子どもの生活リズムにあった順番が組まれていて)や座る場所が決まっていて、あそぶ場所にちゃんと遊具が用意してあれば、子ども達は早い段階で「今はあの子のごはん。もうすぐ私」と理解するようになります。

どれぐらい理解が早いかは子どもにもよりますが、でも、大人が想像する以上に子どもはちゃんと理解してくれます。もし、順番と席が決まっていて、そして遊具があれば!!

もう一つ大切な視点。

大人が視界に入っていること。そして、そばに行けること。

担当制で保育をしていくことで、子どもは大人と愛着関係を築きます。誰か(担当の保育士)がちゃんと自分の面倒を見てくれるし、いつも自分のことを気にかけてくれている、まるでお母さんのように・・・と安心して過ごすようになります。

その”誰か”への信頼が、担当の保育士から、次第に、クラスの保育士、保育園の大人達へ…と広がっていきます。

家にいる小さな子ども達にとって、お母さんはいなくてはならない存在、自分と切り離すことができない存在です。子ども達は、お母さんの存在をいつも感じながら過ごしています。

乳児期の子どもを家で育てたことのある人は、見えなくなると子どもが泣き叫ぶのでゆっくりトイレにもお風呂にも入れなかった・・・ということも経験したのではないでしょうか。

子どもにとって、お母さんが視界から消える、それも、何かでしっかり遮られてしまうのは怖いことです。

でも例えば、居間と台所の距離でも、目でも見えているし、そばに行こうと思ったらいけるという状態なら、安心できます。

つまり、担当制をしているのであれば、担当の子どもが担当の保育士が視野に入り、もし、そばに行きたいと思ったらいけるような状況にしておいてあげるのはとても大切です。

(注:子どもの食事を介助している時に、他の子どもともコミュニケーションをしっかりとりましょう、と言っているのではないですよ)

食事後、子ども達の午睡を見るのは担当ではなく、あそびを見ている先生です。つまり、食事をすすめている先生は、いちいち子どもを寝かしつけずに、次の子どもの食事をすすめます。

担当の大人が寝かしつけまでしている園がかなりありますが、それをしていたら食事の流れどころか、日課全体の流れがおかしくなりますし、そもそも、担当の大人が寝かしつける必要がないです。

午睡までの流れの中で、子ども達は担当の大人におむつ交換や着脱、手洗いを丁寧に見てもらい、外あそびも室内遊びもたくさんし(あそびはクラスの大人が見ます。あそびも担当が見るわけではないです)、食事の場面も介助してもらいます。午睡は、他の大人がそばにいれば(もしくは、誰もいなくても)寝れるようになります。

もし、午睡の場所が保育室内なら、子ども達は担当の大人が他の子ども達に食事をすすめている姿を見ることができます。

新学期は…保育の方法に限らず、どこの園も大変ですね(^^; 

でも、ゴールデンウィークが終わる頃にはちょっと落ち着いているはず!!…それが無理でも、6月には「あら?」と落ち着いている瞬間が増えているはず!!

…と信じて、新学期を乗り越えましょうね。

一番大変なのは、大人よりも子ども達ですよ。