視点

たくさんの子どもが、たくさんの遊具を持ち合わせて作りだした恐竜の街。

子どもたちの頭の中には、きっと、恐竜たち一つ一つに、乗り物一つ一つに、建物一つ一つにストーリーがある。隣で遊んでいる子のストーリーに自分のストーリーをつなげ、そして、また作り続けていく。

板をもってきた子のストーリーを聞いて、また作り続けていく。

もしかしたら、まだ言葉にできない子が持ってきた小さな車からも、そのストーリーを察して、置く場所を一緒に決めるかもしれない。

多少の相違は気にならない。それどころか、違いは、新しいアイデアになる。

子どもたちは、毎日、遊びながら相手の視点や考え、そして、自分の視点やアイデアを同時に生かすことを学んでいる。

今年に入って二回目のハンガリー保育研修があった。

いつも思うことだけれど、人との出会いは面白い。

何が面白いかって、同じ視点を持っている人と出会えて嬉しくなる。

そして、違う視点を持っている人との出会いも楽しい。

同じ保育をみても、同じ街をみても、同じ舞台をみても、みんなが違った視点から見て、違ったことを感じて、そして、違った表現の仕方をしている。でも、みんなが「より良い保育」を願ってハンガリーまでやってきて「子どもにとっての保育環境」と「自分に何ができるか」を考えている。

 人間てすごい。

皆がいろんなこと感じながら、自分にしかない視点を持ちながら、それを伝えようとしながら、相手の視点にも自分を合わせようとしながら一生懸命生きていて。

100人いたら、100の視点がある。そして、それ以上の伝え方があり、表現の仕方がある。

もし、世界中の人が・・・いや、もし、保育園で働く職員みんなが、自分の視点を生かし、感じたことを、自分なりの表現で伝えることができ、相手の視点も受け入れて、そして、より良いものを生み出すためにと会話をすることができたら・・・保育園は確実により良いものになっていくだろう。

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