理想の姿?本当の姿?

9月、10月と日本の保育園をまわらせてもらった。

保育園のお手伝いに行っているのだけれど、実は私が勉強させてもらっている。


               みんな並んで、どこに行くの?

秋は、新学期から今までの保育の成果が現れるころだ。

職員の入れ替わりがあったり、クラス配置が変わったり、大人同士の関係がぎくしゃくしていたり、新入園児に泣き叫ばれたり、それにつられて他の子たちまで落ち着かなくなったり、そして、かみつきが出てきてしまったり・・・・・・・そして、保護者からも苦情が来たり・・。

持ち上がりだし、担任の子どもも同じだから、新学期はごく自然にスタートさせたのに、大人が子どもの成長についていけないことも多々ある。あんなに落ち着いていたのに、どうしたんだろうね・・・?と首をかしげることもでてくる。

部屋の作りは合っているかな?子どもたちに合ったおもちゃがあるかな?丁寧に関われているかな?子どもたちの様子を見ながら対策を練り、なんとか日々をこなしながら数か月が過ぎる。そして、秋。

それまでに、担任どうしていろんなことを話しあい、工夫し合い、大切なことを見極めてコツコツと積み重ねてきたクラスでは、確実に子どもたちの成長が見られる。

0歳児クラス・・・

クラスや大人、生活の流れに慣れた子どもたちは、大人が動いたり、誰かが部屋に入ってきたり、活動が変化するタイミングでも、不安になることがない。

大人から離れて遊ぶことができ、生活の中に何らかの規則性があることも理解している。

自分と関わってくれる大人がいることも分かっているので、その人の動きを目安に、自分の動きも理解し始める。

1歳児クラス・・・

流れも理解しているが、一つ一つの行為も身につき始めている。まだできないこともあるけれど、自分でもできることは積極的に取り組み、できないところでは大人の援助を受け入れられる。

大人の言葉をしっかりと聞くだけでなく、仲間関係の中でも相手のしていることを察したり、相手に合わせて関わろうとする姿が増えてくる。

仲間に関心を持ち始めるので、同じような場所で、同じようなことをする姿が増え、ここまでの間に大人が上手に保育環境を作ってきていれば、そのことでトラブルになるよりは、一緒の場所にいることで遊びがつながり始める。

2歳児クラス・・・

生活・遊びの場面でかなり自立して行為できるようになっている。

流れを理解し、一つ一つの育児の中での行為を身に付けていれば、2歳児になる頃には、必要なことをかなり自分でもできるようになっている。そうなってくると、それまで2対1で行っていた育児行為の人数も増やすことができる。食事などは、この時期になると5人、6人で問題なく(つまり、上手に、集中して、テンポよく)食べられるクラスも出てくる。

0,1歳でいろいろな遊びを経験していれば、2歳になる頃にはどんな遊びの場面でも友達との関係を作れるようになっている(基本的な遊び方を知っている)。

1歳児では、一つ一つの場面を遊んでいたのが、2歳児になると場面がつながり、ストーリーが出てくる。そして、そこに何人かの子どもが関わって遊び始めるので、まるで幼児クラスのような遊びが展開されることが多々ある。

生活の場面で時間がかからなければ、そして、落ち着いて遊ぶことができていれば、大人はプラスの活動を子どもたちに提供することが容易になる。

コツコツと積み重ねてきたクラスでの子どもたちの成長は、見事なものがある。

日本の保育園で、これが”理想の姿”ではなくて、”本来の姿”と保育士が思うようになる日が、早くきますように・・・。

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