保育園だからできること
ハンガリーでは、3歳になったら保育園に通うことが義務になった。
ということは、役所に届けられている子どもは、みんな保育園に通う。
役所に届けられていない子どもも現実にはいるのだろうけれど、届け出ることで様々な手当てや援助を受けられることを考えると、そして、保健婦制度やホームドクター制度を考えると、把握されていない、届けられていない子どもたちというのはよほど、よほどの事情があるケースでごくわずかだと考えられる。
よほどよほどの一歩手前の家庭・・・・これは、日本では想像がつかないほど、よほど、よほどの環境だ。そんな環境で育っている子ども達もみんなが保育園に通うとなると、保育園がどういった場所かはとても大きな意味を持ってくる。
家には十分な食べ物がない。お風呂に入れない。十分な暖房がない。おもちゃがない。自分の居場所がない。優しい声をかけてもらえない・・・・声さえかけてもらえない・・・。
どんな国であっても、いろいろな事情を持った家庭はあり、とても快適とは言えない環境で育っている子どもたちはたくさんいる。そんな子ども達が、もし、日中8時間でも快適な環境で過ごすことができたら。優しい声をかけてもらえたら。あなた自信が快適だと感じられることは、あなた自身が幸せだと感じられることは、みんなにとってもとても大切なことなんだよ、と教えてもらえたら。
クリスマスの準備なんてとてもできない家庭の子ども達が、保育園でクリスマスの飾りつけやクッキーを焼いたり、プレゼントを作る準備を毎年経験できたら。そして、それが幸せな経験で、良い思い出になったら。その子達は、自分の子ども達とクリスマスの準備を一緒にしようと思うかもしれない。
すべての子どもに、幸せな子ども時代を。保育園にしかできないことはたくさんある。