清潔感 その①
「丁寧に手を洗うなー」これは、ハンガリーのいろいろな人たちを見ていた時に常々思っていたことだった。料理をする女性に関わらず、何かの時に手を洗う人を見ていると、さっさと洗うということはない印象がある。けっこうしっかりと洗っている。何でそんな場面が印象に残っていたのか…たぶん、丁寧に手を洗うなーと思ったから、余計に印象に残っているのだろう。そして、一人二人ならともかく、わりと老若男女なので「ハンガリー人は」となったのだと思う。
ハンガリーの保育園に行って、見学者が驚くのは保育園内の清潔感ではないだろうか。その中でもトイレの清潔さ・きれいさには皆さん一様に驚かれる。
トイレは園の中でも一番清潔な場所といった印象がある。特に乳児保育園では一人一人が使った後は必ず消毒される。乳児保育園でも幼児保育園でもクラス担当の助手も掃除をするけれど、園全体の掃除の方がいて、登園がいったん済んだタイミングや園庭から子どもたちが入室を終えたタイミングで玄関や階段が掃除される。もちろん、泥などがキレイにふかれるということもあるが、消毒の入った水でもさっとふかれる。園内全体も一日に何回かは消毒の入った水でモップがけされていく。
こういう環境で育っていると、もしくは、こういう環境に子どもを通わせていると、この感覚というのは当たり前になるのではないだろうか。ニワトリと卵とどっちが先かのような話だけれど、ハンガリーの家庭でも消毒液の入れた水でのモップがけは日常的だ。たいがいの家は、なんとなく清潔だなーという印象がある。
もともと日本人は清潔好きで、国外の人たちが驚き、日本はすごい!と感嘆の声をあげる部分だ。一方で、意外なところでの衛生観念が弱かったり、曖昧だったりする。たぶん、それゆえに、神経質と言ってもいいぐらいの極端な対応が突然現れたりするのかもしれない・・・
というわけで、次回は「手洗い」について。