オンラインセミナー 分科会「環境」 Q&A その③
Q. 発達課題がある子のいるクラスの動画をみましたが、クラス18人に対して職員3名で対応していましたが、その子に対してかかりきりになることはないのでしょうか?
A. 子どものタイプによってはかかりっきりにならないと難しいこともあると思います。
その場合は加配の先生が付きますが、年の終わりまでずっと付きっきりではなく、様子を見ながら子どもと距離をとり、クラスから離れたり、クラス全体、乳児全体のフリーの役割に移行していく園も多くあります。
発達課題には本当にいろいろなタイプがあり、大人がその子たち一人ひとりのことを理解しながら、その子達にもあった環境を作る努力をしていかないと、ずっとかかりっきり=他の子と関わることを学べない(他の子たちも、その子との関わり方を学べない)ままになることもあります。
また、必要な時間帯だけ(入室の流れ、食事の時間帯など)フリーの大人に入ってもらうことで対応しているクラスも多いと思います。
今はどのクラスにも課題のある子は何人かいるので、一人ひとりにかかりきりというのはほぼ不可能だと思います。
発達課題のある子たちに必要な環境は、他の子たちにとっても必要な空間であることがほとんどなので、どのクラスも以下は配慮して環境を作りましょう。
・室内でも運動欲求を満たせるようにする(走り回らなくても、体を揺らしたり、その場で跳んだり、いろいろな方法があります)
・追視遊具など、比較的0歳児クラス、1歳児クラスの前半で使うようなものを多く用意する
・自閉的な傾向のある子がいるのであれば、その子が一人になりたい時に入れる空間は作ってあげましょう。でも、段ボールで囲う、というような悲しい空間にはしないで下さいね。
発達課題のある子、集団での生活が難しそうな子にとっては、生活全体が分かりやすいこともとても大切です。
毎日過ごす環境がいつも同じであること(おもちゃがあったりなかったり、棚や机の位置が一日の中でもしょっちゅう変わったりしない)。日課をきちんと作り、毎日が同じように流れているようにしてあげることも、安心材料となります。
乳児期は、発達課題があるのかどうかわからない子どもも多いので、発達差を考えながら環境を作り、できるだけ丁寧に発達を把握し、必要な援助をしていけるようにしましょうね。