クラスの人数
大人の数と同じぐらい大切なことに一クラス当たりの定員数の問題があります。
例えば、ハンガリーだったら、乳児クラスの人数は12人までと決められています。
もし、クラスの子ども達がみんな2歳を過ぎれば、14人まで増やすことができますが、それまでは、どれだけ部屋が広かったとしても12人までで、それ以上増やすことはできません。
理由は?
子ども達は、保育園で生活する中で、たくさんのことを覚えないといけません。
生活の流れや部屋の使い方やおもちゃの位置、そして、クラスのいる子どもや大人のこと。
自分一人でも学ぶことは山のようにあるのに、環境にも自分を適応させながら、子ども達は生活しています。
クラスの子どもが多ければ多いほど、子ども達はたくさんのものに対して自分を合わせなければいけません。
大人も、いくら人がたくさんいても、クラスにいる子どもが多ければ多いほど、たくさんの人数の子どもを視野に入れて動かなければいけません。
子どもや大人の人数が多いと、穏やかで落ち着いた雰囲気を作るのは難しくなります。
(日本の基準だと0歳児18人クラスなんて、子ども18人に大人が6人です!担当制の考え方で見ると、大人が多すぎ。かえって保育ができない。こういうクラスほど、子ども達と一緒に大人が座り込んでおしゃべりしていたりしますね^^;
そして、おむつ交換やご飯の時になると突然、全員がバタバタと動き始める・・・。え、じゃあどうしたらいいの?と思った方、くるみの木の冊子「より丁寧な保育を…」をぜひ読んでみて下さい!)
ハンガリーの保育園では幼児のクラスの人数は、最大25名までとなっていますが、ここにもし発達障害の診断のついている子どもや明らかに障害を持った子どもが入っている場合、その程度によって、二人、もしくは、三人分の子どもとしての計算となります。
今は、ほとんどのクラスに診断のおりている発達障害の子どもが2~3人はいるので、その分、クラス全体の人数が減ります。
園には、保育士以外にも発達に課題のある子ども達を見る専門アシスタントが配属されていて、彼女たちは専門の研修などを受けている人たちです。
ちなみに、乳児も幼児も保育士は一クラスあたり二人ですが、開園時間が長いので、午前番と午後番の担当に分かれていて、午前中と午後は一人(+雑務などをしてくれる助手)でクラスを見ている時間も長いです。(ハンガリーの幼児保育士のクラスでの勤務時間は6時間半です。それ以外の時間は準備やその他の業務に当てることができます。)
それでも、保育ができるのは、環境が整っているから、保育士の専門性が高いからというのは大きいでしょうねー。
開園時間は6時~18時間と長くても、子ども達のお迎えが早いのも大きいだろうなと思います。
この辺りのことは「ハンガリー たっぷりあそび就学を見通す保育」(かもがわ出版)にあるのですが、4版まで重ねて絶版となりました。残念。
今後、大人の数だけでなく、保育内容も含めたそれ以外の要因も検討されるといいなーと思うのです。