午前睡 起こす?起こさない?
都市伝説・・・ってありますよね。
現代発祥の根拠が曖昧、不明な噂話的なもの。
保育園伝説というのもあるのかも・・・と思うぐらい、いろんな「根拠があいまい、不明な物」があります。
例えば「午前睡をしている子どもは15分で起こす」は、たぶん日本全国の園で一般的に行われているのではないかな…と思うのですが、これも保育園伝説?(^^;
お母さん向けの育児書にはまずこんなことは書いてないと思うのです。
なぜ子どもが午前睡をするのかというと、体がそれを欲するから。
午前睡をする子どもはたいがい朝も早く起きています。
そして、起きた乳児というのは、とにかくじっとはしていないです。
お願いだからもう少し寝て…と親は心の底から思うものです。
まだ、ずりばいなどをしていなくても、キョロキョロあちこち見たり、手をのばしたり、体をばたばたしたりと、音がしたらそっちを向いたり、何かが動いて視野に入ったらそっちに身体を向けてみたり・・・。
「今は静かに休もう。じっとしていよう」なんてことはできず、体が反応してしまうので、2〜3時間も起きていたら疲れてしまいます。
子どもによっては午前中に1時間近く寝ますし、それ以上寝る子もいますが、お腹もすくし、一般的にはそんなに長く何時間も寝ることはありません。
(発達に課題のある子どもは睡眠にも課題があることが多いので、普通よりも長く寝ることがあります。)
多分、「午前睡は15分」は、それぐらいで起こせば、お昼ご飯の後にみんな一斉に寝てくれて、大人がゆっくりできる(ご飯を食べたり、書き物したり)、が理由のトップではないかな・・・と。
15分(午前睡の途中で)で起こされた子ども達はたいがいとっても機嫌が悪いです・・・・
つまり、眠たいです。眠たいから、機嫌よく遊ぶこともできないですし、ご飯の途中でまた眠くなってしまいます。
しっかり寝た子どもはすっきりと目を覚まして、機嫌よくあそんでくれます。そして、機嫌よくご飯も食べてくれます。
お昼ご飯の後は少し遊びますが、そんなに遅くならないうちに、また午前睡に入ります。
睡眠が十分とれていない子は気持ちよく過ごせないので、一日を通して何となく機嫌が悪く、いつが快適な状態なのかが分かりにくく、大人も対応に困ることが多いはずです。
睡眠が十分にとれている子どもは、機嫌のよい時と、機嫌の悪い時(眠い、お腹がすいた、お尻が気持ち悪い)がはっきりしているので、大人もどう対応したら良いかがすぐに分かります。
そして、体力がついてくるにしたがって午前睡がなくなります。
いつ寝かせる?
午前睡は子どもが眠くなったら寝る・・・ではなくて、あらかじめ、朝起きる時間や子どもの体力などを見て、いつもこの時間に眠くなるな…という時間に寝る習慣をつけましょう。
お昼寝も、夜寝る時間も、子どもが眠たくなるまで遊ばせておくわけではなく、大人が「お休み」と寝る習慣をつけていきますが、午前睡も同じです。
見極めがつくまでには少し時間がかかるかもしれませんが、そのうち大体の時間が分かってくるはずです。生活リズムを作ってあげることで、子どもも気持ちよく生活がしやすくなりますが、大人もクラス全体の生活や自分たちの動きを考えやすくなります。
午前睡と散歩
午前睡のある子どもは散歩に連れ出さないですよ!!
「おんぶで寝るからちょうどいい」「カートの中で座って寝ているからいいや」は、やめましょうね。子どもにとって寝心地は良くないですし(お母さんがベビーカーで寝かせながら散歩しているのとは全く違う状態です!)、たいがい途中で起こされて可哀そうなことになります。
午前睡があると分かっている子は、最初から部屋で寝れるように考えてあげましょう。
もし園庭があるのであれば、特に0歳、1歳児クラスは散歩ではなくて園庭を活用して過ごしましょうね。その方が子ども一人ひとりに合った生活の流れを考えやすくなります。
参考文献:冊子「より丁寧な保育を考え始めた園へ」 おたより「日課」