それ本当?「表情のない人形を!」・・・・???
「研修に行ったら“表情のない人形を”って言われたんです。で、その“表情のない人形”がものすごく高くて・・・・」
・・・という相談が来たのですが、でも、人形ってだいたいあまり表情ないのですよね(^^;
だから、特定の「表情のない人形」を買わなくても、もし「表情のない人形」がポイントなら、一般的な人形だったらだいたいその条件はクリアするのかなと。
そんなにすごく笑っていたり、泣いていたりというのは少ないと思うのです。
ハンガリーで購入できる人形の中からですが、こんな感じ(^^
(値段は現地値段を円に換えたもの)
可愛いですよね~~~
だいたい、この程度の表情の人形が多いと思うのです。
もし、こういった人形がダメ、ということなら…世界中の人形がダメということになってしまう(^^;
もし、シュタイナー保育をしていたりして、ある特定の、表情のない高価な○○人形がどうしてもいい!とこだわるのなら、それはそれで全く問題ないと思うんです。
ただ、人形一般がどうして大切なのかということであるなら、特定の人形がいいということではなくて
「どうして人形が大切か」
「そのためには他にどういうものが必要か」
「人形は子どもの発達にどう影響するのか」
「発達と合わせて人形の扱い方がどう変わっていくか」
という話をしないと、ただのおもちゃの宣伝になってしまいます。
(それに、人形だけではなくてぬいぐるみも同じように大切です)
この研修では、その人形を含めたあそびの環境とか、子ども達がどうやって遊ぶのかなどの話はなかったから、結局、園はそのものすごく高い人形だけを買い、でも他の物は買わなかったので、その高価な人形で子ども達はちゃんと遊ぶことができず・・・・とのことでした。
もう一つ、人形に名前を付けるというものも、うーん、本当に必要??
つけたいクラスはつけたらいいけど、その時に、その子どもがあそびの中で名前をつけるのでもいいと思うのです。
だって、役割あそびで人形は何にでもなります。
生まれたばかりの妹かもしれないし、家族の中の子どもかもしれません。
でも、入院患者だったり、お店で売っている人形の品物かもしれません。
人形を購入する時に配慮したいのは
〇 口に入れる年齢であれば、髪の毛が生えているものは避ける
〇 0〜1歳であれば、目の玉が動くものは避ける(つつくのですぐに壊れます)
〇 いくつかの大きさを用意する(乳児の場合、手で握れるような小さな人形を好むこともあります)
〇 体の柔らかいものと硬いものをできたら両方用意する
体が柔らかいものは抱っこするのにちょうどいいですし、硬いものは座らせやすいです。子どもが台所であそんでいる時に机に座らせるときなどは硬い方が安定します。でも、抱っこやおんぶ、服の着脱をして遊びたい時は柔らかい方が扱いやすいです。
子どもによっては自分で目的に合わせて選びますが、大人があそびを見て提案することもできます。あそびの目的が「どうしてもこの人形と遊びたい!!」ではなくて、この動作や作業をしたい(服を脱がせたい、お風呂に入れたい、ご飯を作りたい)である場合、どの人形かにはこだわらないことがあります。
〇 乳児は数を保障する(大小、タイプはいろいろで、ぬいぐるみも合わせて多めに)。幼児はほどほどに(全員が同じものを欲しがることはないので、役割あそびで使うぐらいの数を。あそびを見て数を増やすこともできます)。
そして、人形だけでなく
〇人形で遊べる環境を整える
(つまり、再現あそびや役割あそびの環境を整える)
人形と環境を整えたら
〇子どものあそびを見ながら、子どもの経験や発達を見る
〇必要であれば声をかけてみたり、援助をしたりする
(大人のしてほしいあそびに導くためではないですよ!!子どもが遊びたいことを援助するためにです)
子どもの発達を保障するためにも、情緒面を援助するためにも人形はとても大切な遊具です。
でも「この人形じゃなければだめ」ということはないですよ。
できたら、ポポちゃんやメルちゃんではない方が良いけれど(髪の毛がすごいことになる、手指が損傷しやすい)、比較的、人形は手に入りやすくなってきています。
ぜひ探してみて下さいね!
親の手造り人形(つまり、子どもの数だけ)を置く園もありますよね?
ボロボロだったり、まったく遊んでいなかったりするものもかなりあるのかなーという気がしています。
今はもうない方が良いかな、これは家に持って帰ってもらおうかなと判断することもできると思います。肝心なのは、子ども達が遊べる環境があること。
「なんのために?」をしっかりと考えたいですね。