見本のような言葉がけ 研修報告 その5

この、見本のような言葉がけをしていた保育さんたちは、なんと一年目でした・・・。

そのことにまずみんなしてショックを受ける(^^;)

見本のような見事な言葉がけだけれども、マニュアル的では全くなく、ごく自然。

何が見事か・・・・これはたぶん言葉が分からなくても、映像を見ているだけでも伝わるので、セミナーの全体会で参加者の皆さんと一緒に見れる機会を設けられるといいなと思っています。

まだ言葉がほとんど出ていない子ども達とまさに会話しています。

子どもが言わんとしていることを言葉にしたり、メタコミュニケーションで伝えようとしていることに答えたり、子どもが感じていそうなことに反応したり…。

そして、程よく、そして、はっきりと聞こえる声の大きさ。

聞いていても気持ちの良いリズム感、抑揚。

子どもの表情をしっかりと見ている視線。

彼女たちがもともと持っている素質も大きいと思いますが、言葉がけの見本となる先輩たちがいたことや、言葉がけや関わりを指導した人たちの存在も決して小さくないはず。

今回の研修参加者は皆さん園で若い人たちに教える立場のメンバーだっただけに、自分自身を振り返る気持ちで何となく無言になってしまったのでした(^^;

本人たちが積極的に質問してくれたり、先輩を見本として学んでくれる(もちろん、そこには見本となる先輩がいる)ことはとても大きいです…。

・・・・と同時に、積極的に質問したり、見本を学ぼうとするところまで持って行かないといけないんだろうなー、でも、これは職場に入って、すでに大人になっている彼女たちに、新学期の必死な中で先輩職員が求めたり、指導するのは相当大変。

研修させてもらっているブタペスト14区の乳児保育園では、入職後、担当の子ども達に関わるようになるまでの研修システムが確立されているので、それも大きいです。(研修園での2週間の研修期間、配属園に行ってからも配属クラスでの研修期間が設けられている)

ここまでの育ち、保育士養成の中身、そして、仕事に就いてからの指導の流れ・・・すべてが関係してのこの一年目の姿なんだろうなーと思います。

ちなみに、ハンガリーは産休・育休がしっかりとれるので、子どもが二人、三人と生まれ、そのまま長い育児休暇に入る保育士さんたちはたくさんいます。

ですから、特に乳児の現場には常に1年目、2年目の保育士さんたちがいることになり、保育研修でも比較的若い保育士さん達の保育を見ることがあるのですが、かといって

「新人さんだよね、よく頑張っているね」というよりは

「本当に新人さん?信じられない」という反応になるのがほぼ毎回。

結局は、子ども達をしっかり育てることが、社会で環境に適応しながら自立して働ける人達が増えることに繋がり、まわりまわって自分たちの仕事にもかえってくる…ということなのかもしれませんね・・・。