あそびって何だろう?大人の役割って何だろう?1
あそびが大切!って最近よく言われますよね。
でも、この時のあそびって、何を指して言われているのかなーと思います。
ハンガリーの保育園では、子ども達は食べたり、排泄したり、寝たりの生活の場面以外では常に遊んでいる、というぐらい、子どもにとってあそびは空気を吸うのと同じぐらい大切なものだし、当たり前のもの、ととらえられています。だからこそ、その遊びの中身がいろいろに考えられているのだと思います。
自由あそびの中で、子ども達が自由に遊ぶ場所や道具、遊ぶ相手、遊ぶ内容を考えて過ごす「自由な遊び」
この自由な遊びは、もちろん子どもたちが自由に選ぶのだけれど、自由に選んだとしても何らかの発達に働きかけるような基本的な環境を整えるのは大人です。何しろ、保育園という限られた環境の中にはいろいろな発達の子ども達が何十人もいて、保育園には「子どもの発達を保障する」という大切な課題があるので!!
「あそびは大切」という中に、”子どもの発達をしっかりと見て、必要に合わせて援助する”という視点がないと「子どもが自ら発達していく主体的な遊び」ではなく、単に「無責任な放任状態」になってしまいます。そして、主体性をうたうがゆえに放任になってしまい、卒園後、小学校の先生も子ども達も困ってしまうという…という状況、かなりたくさんある気がしています。無責任な放任よりは、上手に運営されている一斉保育の方がよほどいいかもしれない、と思うことがあるぐらいです。
自由あそびと同時に大切なのが、大人が計画を立て、目的を持って進めるのだけれど、子ども達がまるで楽しい遊びに参加しているかのように感じられる「大人の計画をした活動」(くるみでは課業とも呼んでいます)
この活動のポイントは、子どもが楽しい!と思いながら参加していること。でも同時に「これは参加するべき活動なんだよね」ということも理解していること。
これがないと、毎日の活動は単調になります。
子ども達も必要な知的欲求や運動欲求、その他の、活動欲求が十分満たされなくなります。各年齢にふさわしい知識や語彙が増えず、考える力も育ちません。
自由に遊ぶ中でももちろん子ども達はたくさんのことを考えていますが、大人と一緒に考えたり、大人の提案する視点に沿って考える経験というのも大切なんですよ。でも、そのためには大人が子どもの思考力のレベルとか子どもが考えられるようにするための質問の仕方とかも、知らないといけませんが・・・(^^;
そこは、くるみで一緒に学んでいきましょうね!
年長児が全く自由というのは逆に気の毒です。きちんと知的欲求を満たし、発達に合った刺激を提供してあげないと、主体的になるどころか退屈で、いい仲間関係を作り上げることも、いい意味での集団を経験することもできないままの一年を送ることになってしまいます。