春なのに・・・

冬の長い国にとって、日差しが明るくなって、少しずつ景色が緑に変わってゆき、気が付くと足元に小さな花たちが咲いている春は、1年で一番、命を感じられる季節。

夫と電話で話しながら、毎日聞いているのが「何か花咲きはじめた?」

そして、昨日送ってきてくれた写真。

夫「アーモンドもあんずの花も咲いているよ。でも、朝方はマイナスだから大丈夫かな・・・」

あんずがちゃんと実をつけてくれるかどうかは、今年のパーリンカ(蒸留酒)づくりに関わってくる。

春になると近所で子羊が生まれてぴょんぴょん走り回って、とっても可愛い♪

白鳥や鴨たちは雛を引き連れて湖を泳いでいるし、温かい国からはツバメやコウノトリがやってくる。

今、戦争が起こっているウクライナの人たちも、本当はこんな春を楽しみにしていたはず。

たくさんの難民がハンガリーにも避難してきて、そして、戦争はハンガリーの国境にも近づいてきている。

今年はチューリップがたくさん咲くかな、ヒツジはたくさん生まれるかな、あんずがたくさんできてパーリンカができるかな、イースターにはどんなお菓子を焼こうかな‥…こんな当たり前の春の会話が「戦争になったら、うちの子ども達も徴兵されるの?」「日本に逃げることはできないの?」になってしまった。本当に悲しいし辛い。

1日も早く、こんな無駄な戦争が終わりますように。そして、当たり前の春を、みんなが楽しめますように。

戦争なんて解決方法を選ばない人たちを育てるのが、私たちの仕事です。