それほんとう?⑨ 「保育室は静かに・・??」

担当制の保育をしている園が自慢することに「うちの園は静かなんですよ」ということがある。

そして、実際にそれは事実だ。

確かに、大人が大きな声を出すことがなく、子ども達一人ひとりに言葉をかけているから、子ども達の頭の上を飛び交う言葉がとても少ない。

子どもたちも、必要以上に大きな声を出す習慣がないので、一般の保育園ではごく普通の光景である”怒鳴りながら話す”ことがない。

子ども達一人ひとりが熱中して遊んでいる静けさもある。

でも、それはあくまでもごく普通の静けさのことで、大人が囁くような声で話しかけており、子どもたちの発語が少ない故の静けさのことではない。静かすぎる乳児クラスと出会う時、私の中では要注意信号がピカピカ点滅し始める。

先日いった保育園の1歳児の先生は、とにかくよくしゃべり、見ていても飽きない面白さだった。

無駄にしゃべっているわけではないし、大人同士で話しているのではない。1歳児の子どもが思っていそうなことや、子ども相手の会話(といっても、まだ話し出す前の子どもたちなので、見ていると先生の一人芝居にも見える)がとにかくユニークなのだ。

そして、子どもたちもなんだかとっても楽しそうな顔をして先生の言葉を聞いている。

このクラスの子ども達が話し始めたら、きっととっても面白い会話が聞こえてくるんだろうな・・・と一年後が楽しみになった。

大人は、子どもたちにもっともっと話そう。説教でも、大人の独り言でもない、ごく普通の会話を、子どもたちともっともっとしよう。

「かっこいい~!」「OK!」「タッチ―!」ですべてを澄ませないで、一つ一つ、思ったことを言葉にしていこう。

例え、まだ言葉が出ない子どもたちでも、大人の言葉を一生懸命聞いている。子どもたちの中に豊かな言葉の土壌を作るためにも、豊かに話そう。

保育士の仕事は話すこと。必要なことを、的確に、分かりやすく、相手に伝わるように話すこと。そんな練習もする必要があるのかもしれませんね。

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