悩ましい食材問題
あー、これは遊べないだろうな―と思う台所・お世話のコーナーによく出会います。
そして、ほぼ確実に遊べていない。
一番の理由は、“遊ぶものがない”からです。
棚の中に何もないわけではなくて、多くの場合、食材だけはたくさんあります!
食材以外のものがあまりにも少ない(考えられていない)ので、単純に「いったいこのたくさんの食材でどうやって遊んでほしいのだろう?」と思ってしまいます。
もう一つ、これでは、再現あそびにはならないだろうな…と思うタイプの食材。
あら、これうちの園の写真?と思った方、たくさんいますね、きっと(^^;
見た目はきれいだし、子どもたちはきれいに盛り付けたり、一見よく遊んでいるような光景にはなります。
でも、盛り付けて終わることが多くないですか?
もしくは、こう盛り付けあそびが得意な子達が、毎回似たようなことを繰り返している、違うバリエーションを展開しているとか?
つまり、子どもたちが日常の経験を再現するようなあそびにはたどり着きにくいのではないかな・・・と。
見立てられる道具としてあえて手作りの遊具がたくさん用意されると思うのですが、乳児にとっては逆に見立てにくいし、いじり遊びや机上あそび的な道具になりがちです。
これらを使ってとってもきれいなケーキを作ったり、盛り付けをしていると、まるですごく上手に遊んでいるかのように見えますね。でも、多くの場合は、そこからあそびが広がることはあまりない気がします。なぜでしょう?
この手の食材の多い園は、なぜかその他の物が極端に少ないです。
(あ、うちの園かしら?と思った方たち、ここでもいるはず。でも、特定の園の話しではないですよ!特定ではなくて、かなり多くの園で見られて、そして、悩んでいると思うのであえてテーマとして取り上げています。)
(くるみの里保育園―仮名― 1歳児クラス)
もし、一歳児クラスでこれぐらいの食材だったら、子どもたちは食材をメインに使うのではなくてあくまでもプラスの道具として使います。
それに、お皿に分かりやすいものが盛り付けられている方が、すぐにその先のあそびにつなげられます。(食べることがメインではなくて、食べる前後をあそびで再現するようになる)
企業内保育所「そーれ」(沖縄県)2歳児クラス
それよりも、分かりやすい物が用意されている方が、子ども達は思い出したり、想像力したりしながら遊べます。
(注:ここでも、「分かりやすい食材だけ」があって他の物がなければ、遊べないのは同じです)
カエルだから、食卓じゃなくてここでご飯食べるんですね、それも、エサ皿から(笑)
二歳の台所です。
何があるか拡大してよ―――く見てみてくださいね。
子ども用の役割あそびの道具は、日本でも探せばいろいろ売っているはずですよ。
幼児だったら、なおさら、食材でのあそびじゃなくて、もっともっといろんなことを思い出しながら、時間的な流れや人と人のつながりを考えながら遊んでほしいですねー。
黒野こども園(岐阜) 4歳児クラス
もし、こんな環境が作れたら、食材は気にならなってくると思います。子ども達が遊びたいと思う内容も、食材での遊びではなくなるはず。
その時々で、お店で売りたいもの(花、本、衣類、おもちゃ・・・)も変わって、食べ物屋ばかりではなくなるはずですし、八百屋や果物やパン屋のあそびをしたいようなら、合った食材を多めに出したらいいと思います‥‥「役割あそび=お店屋さん」ではなくて、もっともっと広い視点で役割あそびの道具をそろえられると子ども達も大人も楽しいでしょうね!
そんなアイデアも紹介していこうと思います(^^♪ ←ただ、写真を探すのが大変で・・・・