1歳―新学期の環境 ここをおさえて! その2
1歳の新学期でとにかく大切なのは①の空間です。
まだまだどちらかというと0歳児クラスにいた方がいいような幼い子もいるし、新入園児で泣いている子も多いので、①の空間はかなり広めにとります(構成コーナーと同じぐらいの広さと思うと良いかもしれません)。新入園児のいないクラスでも同じです。
ここを広く取るかどうか、どんな遊具を置くかで新学期をどう乗り越えるかが変わってくる!と言っても過言ではないぐらい、大切な空間です。
(写真は、善隣館小立野こども園(石川県金沢市) 1歳6月)
ここには、追視遊具、入れたり出したりできる遊具(チェーンリングと容器―――この場合、ポットン落としとして穴のある蓋をつけたものではなく、蓋をとってしまって、掴んで入れるーひっくり返して出す…を何度も遊べるようなシンプルな形にします)、型落とし、型合わせ、シュシュ、重ねカップ、リングタワー、クリップ・・・・などなど、0歳児クラスでもあったようなものを置きます。
見ただけでもどうやって遊んだらいいのかが分かりやすい物、色がきれいで手にとりたくなるもの、パーツの大きい物…を選びましょう。
② 運動スペースには、動きが安定しない子(よく動き回る子の中にも動きの安定しない子達はたくさんいます)が使っても怖くない(大人が付いていなくてもよさそうな)レベルの遊具を配置しましょう。
大人も、子ども達がどんな動きをするかまずは確認したいので、難易度は低めに設定します。
引っ張り遊具や押し箱なども用意しましょう。
③の机上には、持ち手つきのパズルをいくつかを置くだけで十分だと思います。
まずは、遊具の場所、どこで遊ぶか、どうやって遊ぶかを教えていくことになるので、机のところにあまり色々とあると大人の方が見切れないと思います。
子ども達の様子を見ながら、遊具を増やしていきます。
新学期は机から落として遊ぶ子が必ずいます。怒るのではなく「座って遊ぼうね、これはいるかな?(と、手渡す)」「こっちでする?(と、床の方に誘う)」とあっさりと、です!
④ 構成コーナーは、最初は積み木(色のはっきりした大きめの基本の積み木)、デュプロとデュプロの板(緑の大きなタイプ)、井形ブロック(ソフトブロック)、線路と電車、動物フィギア(簡単に立つもの、乗せることができるもの)、乗り物…などをかごなどに入れておきます。
籠ごと子どもの前に持って行けるようにすると、遊びを勧めやすいです。
⑤ 台所よりもお世話の方をメインに考えた方が、大人があそびを見やすいです。
台所は、食器(コップとお椀、お皿、スプーン 各4個ぐらい)、おなべ、フライパン、おたま、フライ返し、トング程度で、その他、スポンジと洗剤の容器・・・程度からスタートして、段々と増やしていくといいと思います。
(写真は、大野こども園(岐阜県揖斐郡) 1歳6月)
食器や鍋類は、並べてきれいに配置しましょうね。籠にゴチャッと入れないように!
お世話の空間は、人形やぬいぐるみ、布団、布類、洗面器―シャンプーボトル―スポンジ、大き目のクッションなどがあるといいと思います。
よく、棚の中にベットも入れてしまって人形を寝かせているクラスがありますが、目につかない&遊びにくいので遊べません(小さな子ども達は棚からわざわざベットを引っ張り出して遊ぼうとはしません)。
布団やクッションに寝かせて床に置くか、座らせておいてあげましょうね。
箱の中に人形もぬいぐるみも山積み!!という悲しい光景を子どもたちが見なくてもいいようにしてあげたいですね。
再現あそびの空間の全体
新学期に必要な物がそろっている&シンプルで、とても分かりやすいですね。
机は若干台所寄りに配置した方が、お世話のあそびの空間が広くなりそうです。どこの園でもついつい机を空間の真ん中に置きがちなので気をつけて配置してみると、それだけでもあそびが変わるはずですよ。
この一歳の環境は、あまり環境を作れてこなかった園であれば2歳児でも通用する考え方なので、ぜひ参考にしてみて下さい♪