乳児から幼児へのつながり
構成コーナーにある箱。ちょっとした家になったり、こんなふうに積み木を立ててみる枠になったり。
「こんなものがあったら楽しいかも・・・」と、保育士さんたちが気がつくかどうかって大きいですね。
保育を変えていく流れはいろいろあり、多くの場合は乳児からスタートする。
乳児をもっと丁寧に育てていきたい・・・と思って保育を変え始めた園が、同時に幼児の保育についても考えていかないと、必ず乳児から幼児への流れのところで悩むことになる。
乳児は乳児。幼児は幼児。うちの園は幼児は今までの方法で・・・と最初は思っていても、あまりにもよくあそぶ2歳児が育ってしまい、食事も着脱も上手、生活の流れも理解し、大人の指示がなくても動くことができ、大人の言葉もきちんとチャッキできる・・・となってみると、もしかして、幼児よりも乳児の方が賢いかも・・・と園は焦り始める。
私は保育園の指導にいって腹を立てることはほとんどない。当たり前でしょ、と思われるかもしれないが、中には相当ひどい態度の職員もいる。でも、どれだけ反発されても、一見失礼と思うような態度をとられても、または、どんな過酷な一斉保育を見ても、炎天下の中の鼓笛の練習を見て辛くなっても、みんな、それなりに、自分の経験に・園のやり方に忠実で一生懸命なのだから、分からないところを分かるように教える、一緒に考えるのが私の仕事、と思っている。でも、ごくたまに「これは許せない!!あなた保育士辞めた方がいいよ!!」状態になってしまうことがある。
それは、乳児期に担当制でしっかりと育ち、よく遊べ、生活面も身につき、大人の言葉をしっかりと聞いて動ける子どもたちの発達レベルを全く理解せずに「この子たち、曜日も分からないんですよ」といった見当はずれの評価をくだし、「ちょっとぐらい待つ練習した方がいいですよね」と、ただ待つ(つまり、何の指示も出さずに座らせておく)”練習”をさせるような保育士と出会ってしまった時だ。
乳児の保育士たちが根気強く、見えるか見えないかの成果に一喜一憂しながら育てた子ども達が、もし、違う園に行ってしまうのならそれは仕方がない。それでも、乳児期の働きかけは無駄ではなかったと自信を持って言える。
でも、同じ保育園内で幼児にあがる場合は、保育を引き継いでほしい。乳児から就学までの子どもの成長をみすえて、保育全体を構築してほしい。乳児期には基本的なことを育てる。幼児期になったら、それをしっかりと引き継ぎ、かつ、幼児期の子どもに必要な活動を子どもたちの発達に合わせて提供する。
乳児保育のコツコツとした、本当に地道な保育内容を日々見続けているだけに、それを一蹴するような、保育士とも言えないレベルの人がクラスを引き継いだ時の悲しさと怒りといったら・・・。
乳児保育レベルの意識改革は少しずつ進み始めているようだが、幼児に関してはいくつもの、見上げるだけで目がくらくらするような巨大な課題が立ちはだかっている。
まずは、実践を進めている幼児保育園が、保育の成果をきちんと言葉にして発信していく、その辺りからでしょうか・・。