年長が育ってる…(研修報告 その2)
1日目に行ったのは、ブタペスト16区にあるFutár 保育園。落ち着いた住宅地にある幼児保育園です。
この日見せてもらったのは年長クラス。
何よりも感じたのが、子ども達が落ち着いている・・・。
今の時期は、日本でいえば6月、7月ぐらいのはずなのに、すでに年度末の落ち着いた雰囲気を醸し出している子ども達。何でだろう・・・
この日は描画―制作の課業の日で、クリスマスの飾りを作っていました。
毛糸を刺していくなかなか難しい作業。
みんな一斉には無理なので、椅子の数分だけの子が来て作業します。
とにかく、大人の話をよく聞いている。
指示を待てるし、大人が他の子の援助をしている間も、根気強く待っている。
道具の扱い方も上手で、ここまでの積み重ねが感じられる。
日本でよくある悪い意味での「自己流」(大人の指示を聞かずに、勝手な方法を生み出してしまう)がない。
から下へ、そして、下から上へ…その間にも、糸を引っ張ってピンと張らないときれいにはならない。空いている穴はどこかな…と探したり、かなり難しい作業です。
それでも、とにかく皆、根気強いし、イライラしない。
おたよりにもあったように、これは決められた課題で、大人側の目的ははっきりしています。
微細運動、手と目の協応、空間認知、方向感覚、創造力、課題意識、忍耐力・・・への働きかけ。
それでも、どの色を使うか、どんなふうに刺していくか、飾りをどうつけるかは子ども達に任せられています。行ったことを最後までする姿は、その他のあそびの場面でも見られました。
もう一つ感じたことは、子ども達がよく会話している。(作業している子達は真剣なので、静かでしたが)
暇つぶし的な遊びをしながらどうでも良いことをしゃべっているのではなくて、遊びに関係のあることを良く会話している。
それと、自分がよく遊ぶ仲の良い子ども達とだけでなく、それ以外の子にも「何しているの?」と気軽に声をかけている姿にも、そう言えば、日本では意外とみられないんじゃないかなーと考えさせられました。どうしてでしょう?
この園はホールがなく、保育室も狭いので、園庭で体操をしているそうです。
で、この日はとっても寒かったのですが・・・
着替えて、外に向かっていました。この着替える時間、5分ぐらい?
私たちが部屋の中をぐるっと見て回って外に出たら、もう準備が出ていました。
完全防備なので、セーターを着て、ズボンの上にスキージャンバーを着て、帽子をかぶって、手袋をつけて、マフラーも巻いて…でも、これを生まれてからずっと冬ごとに毎日していたら、着脱も上達しますね(^^;
走って…2人組になって!・・・3人組になって!!・・・
背中を向いて手をつないで、しゃがめるかな、立てるかな
右の肘を左足の膝に付ける、左の肘を右足の膝に付ける・・・・を交互にしながら一周・・・
右手で、左足の裏を触る(後ろで)、みだり手で右足の裏を触る・…で一周・・・
集団遊びあり、体操ありで、合計15分ぐらいでしたが、かなりしっかりと体を動かしていました。
もこもこなので動くにもハンディーがあって、余計にいい運動になりそう(笑)
で、その後は園庭での自由あそび。
どこの園に行っても思うのですが、園庭への力の入れ方が半端じゃない。
公立園なので自治体が補助金を出しているのですが、まぁー――よく考えられていて、きれい。
運動遊具の下に丸や四角のカラフルなゴム(落ちてた時のため)の形があるので、近づいていい距離が自然と感じられます。
各クラスごとにすべり台やブランコ、肋木、砂場、ぶら下がり遊具・・・などがあるので、4クラスあればそれぞれ四個づつぐらいあって、もちろん、それ以外も走り回れたり、体操できる空間があったりしす。
つまり、とにかく、広い。そして、きれいに管理がされている。
「外気での自由な動きは大切です!」「運動は発達の基本です!」が言葉だけじゃなくて、空間と道具、時間を保障することでも、本当に考えられているのがよく分かります。
この園の連門レベルを維持する役の園長先生のプロフェッショナルぶり、子どもの発達への熱い思いにもひたすら共感しながら、
まだまだ年度の初めでこの姿だったら、いったい年度末にはどんな姿になっているんだろうね・・・と話ながら、ホットワインを飲みにまたクリスマス市に向かったのでした。
二日目に続く