対策を教えるチャンス

ハンガリーには台風のかわりに嵐がやってくる。突然やって来る嵐は、たいがい数時間で過ぎ去っていくけれど、突然なだけに怖い思いをすることになる。

でも、恐いからこそ、子どもたちにはきちんと対策を教えていく。

少し空の様子がおかしい、空気が変だなと思ったら、雲の流れに気を付ける。山の後ろから来る嵐は確実に進んでくる、湖を超えてくる嵐は相当大きい・・・・大人が説明してくれる雲や風の動きの話は面白い。毎年、そな話を聞きながら何回も繰り返して見ていると、だんだんと自分でも判断ができるようになってくる。

風が少しでもふき始めたら、すぐに窓を閉め、テラスにある飛びそうなものを仕舞い込む。もちろん外出などもってのほか。そこから嵐が来るまではもう15分もない。

この、そよそよと風が吹き始めた時には、バラトン湖畔の嵐警報塔のライトはぐるぐる回り、湖からあがるようにと水上警備の人がボートで警告にまわりはじめる。でも、この「そよそよ」を甘く見る観光客は多く、ゴムボートに乗ったまま嵐に巻き込まれ、毎年何人かは命を落としている。

台風がきた時に何をするべきかは、その時だからこそ教えられる。

ー天気予報をしっかり見る

ー潔く予定を変更する(この、いつ・どうやって・何を基準に判断するのかを学ぶのもとても大切)

ー必要な備品や食料品を確保する(どういう状態になるか予想がつかない)

ーパニックにならない

ー家での楽しみ方を考える!

自分にできることがあれば、恐怖におののくだけでなく、できるだけのことはしたと,少しは安心できる。

小さな子どもは、大真面目にいろんなことを手伝ってくれる。それが、少し大きくなった時、例え大人がそばにいなくても一人で動けることにつながり、自分の命を守ることにもつながる。

嵐が来る!!と思った時に、子どもたちがさっと動いてくれると、まあ、勉強なんてできなくても、こういうことができれば何とか生きていけるかな、と思う。でも、もう少し勉強してくれると嬉しいな、とも思うけど。

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