サンタさんがやってきた!

「ハンガリーの保育=行事がない」と思われていることがある。

日本の保育園・幼稚園によくある、子どもの負担になるような行事は行わないけれど、祝日や祭日はしっかりとお祝いしている。逆に、その日に向けての準備や雰囲気づくりはとても大切にされている。

ポイントは”その日に向けて”の流れ。

これはグドゥルーの幼児保育園の12月の廊下。

12月に入ると、どこもかしこもクリスマス一色になり、保育園も例外ではない。

保育室の入口。

ハンガリーの保育園に共通しているのは、飾るならきれいに。大人が見てもきれいな装飾を。子どももたちの作品も立派な装飾になる。

紙袋とリンゴで作ったサンタさん。ハンガリーでは12月の5日の夜にサンタさんがやってくる。5日まではこの「サンタさん」をテーマにして制作したり、詩を言ったり、うたをうたったりと、毎日の活動が計画される。

大切なのは、その祭日に向けての雰囲気づくりと、その間にされるさまざまな活動。

サンタを待つ気持ちが強ければ、子どもたちは喜んで制作もするし、詩も覚える。歌が苦手な子だって歌を歌うし、ちょっと長い詩だってみんなと一緒に覚えてしまう。その間に、いろんなことを経験し、いろんな能力が発達していく。

くるみの頭のリンゴのサンタさん。

丸に丸を載せるのって難しいね。リンゴって、けっこういろんな形がある。ひげになる羊毛、ふわふわしていて気持ちいい。暖かいね、羊さんも暖かいだろうね。くるみに顔を描くのって難しい!

紙袋のサンタさんに色を塗りながら詩を口ずさみ、覚えていくとき。

普段使わない単語がいっぱい入っている。長い言葉を正確に聞いて、正確に発音していく。他の子の声にも耳を傾け、自分も声を出していく。正確に記憶して、思いだせるかな?手を動かしながら?それとも、詩を言っている時は手が止まっている?

そして、サンタさんが来る日。

この日はみんな正装して登園する。保育園でも学校でも、年に数回は正装して登園・登校する。時と場合に合わせて服を選ぶことをごく小さい頃から繰り返していれば、時と場合に合わせてふるまうことも合わせて身に付けていく。

そして、サンタさんがやってきた!

12月・1月は日本にも大切な行事がたくさんある。

年末年始、一番大切にしなければいけないのはクリスマス・・・ではないはずです。

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