オンラインセミナー Q&A 環境認識 その②「異年齢クラスで、年少の参加は自由?参加しないでいい?」

Q. 3,4,5歳の異年齢クラスでの環境認識の課業について、内容を考える際にはどのような配慮が必要でしょうか?5歳児にあわせると3歳児には難しく、3歳児は理解が難しくなってしまうのではないかと思います。異年齢では3歳児は興味を持った子どもが自由に参加する形で良いのでしょうか

A. 3歳児の認識は、身の周りにあるあれこれの興味をもったものについて何?どういう物?どうなっている?何という名前?などを知っていく時期です。個々のものやそれと近いものについての知識を広げていきます。

年長児くらいになるとそれらの知識が積み重なって個々のものについての知識も沢山あるし、個々のもの同士の関連や多数のものの中で同じグループなどの概念、系列なども分ってきます。先を予想・想像し創造することもします。年少児と年長児では知識の段階が違うのです。 

学習態度でも、年少児では思ったこと、知ったことをすぐに言葉にしたいし誰かに伝えたい、何か変わった物があれば自分も触りたい、そういう時期です。

年長児になると、話したい、やりたいけれど、今はみんなで遊んでいるのだから、分ったら手を挙げて指名されたら話しをしたり何かをやることができる、他の子どもは何を言うかどうやるか見てみよう、などと学習への関心が増しているだけでなく、その場のルールに従い自制することができます。ですから、同じ姿勢が多いけれど数十分かかる課業に参加することができるのです。

 異年齢クラスで課業をする場合は、年長児対象に課業案を立てますが、年中児や年少児が参加することを断る必要はありません。分らないことがあっても、課題を考えることに興味がある子、道具や絵・あそびに興味がある子、大きいお兄さんやお姉さんと一緒にいることが楽しい子、など、さまざまな理由で子ども達は参加してきます。

でも、課業のルールは守らないといけないので、自由参加にして、騒いだり邪魔をしない事、手を挙げて指されるのを待つこと、やりたくなくなったら静かに他の遊びに行くことなどは守ります。

参加しないからといって外に遊びに行かせたり、他の部屋に行ったりさせないで、その部屋で大きな音や声を出さないように静かに遊ぶようにします。

課業に参加しなくて他の遊びをしていても声は聞こえるし、絵や道具、あそびなども目に入るのでチラチラと見たり聞いたりすることもあります。

座って参加はしないけれど、後ろに立って見ている子もいます。その子なりの関心の示し方で良いのだけれど、でもルールは守って課業の邪魔にならないようにしなくてはなりません。

年長児には参加することを伝えます。年長になると個々の観察やあそびだけでなく、学習するという場での体験(課題の理解、課題解決の思考、言葉による表現、学習の場のルールの理解と守ること、一定の時間集中すること)が必要だからです。

他のあそびに熱中して参加しない場合は、課業を始める状況や時間が適切か考えます。いつも参加しない子どもがいたら、どうしてなのかその理由も考えた方が良いでしょう。

参加する年少児がいるクラスでは、課業案の中で年少児には何をやってもらえるかも考えす。

同じ課題でも年少児には易しい課題を出す、集団遊びでは初めに年長児がやってそれを見てやり方が分った年少児をに当ててみる、「フルーツバスケット」や問答あそびなどは大きい子の真似をして一緒に動いたり言ったりできる、など。

年長児向けの課業だからといって年少児がお客様ではつまらないしもったいないです。

(回答 第三分科会・午前講師:藤井)