オンラインセミナー 分科会「環境」 Q&A その⑦
Q. 乳児がメインだったからか、ロフトのある園は出てこなかったのですが、うちの園は幼児クラスにロフトがあります。机上スペースにしたり、絵本コーナーにしたりしていますが、いつも同じ子が集まっていたり、何かあっても大人がすぐにはいけないので、担任によっては使わないようにしている年もあります。ロフトの使い方を教えてください。
A. 今から設計をする園にまず助言するとしたら「ロフトはやめましょう」ということでしょうか(^^;
遊ぶ環境をそこまで作っていない園であっても(だからこそ?)、なかなか苦戦するのがロフトの使い方だと思います。
これも「秘密基地」的な発想で、「きっとここで子どもたちが楽しく遊ぶだろう!」と思うのでしょうが、よく遊ぶ子どもたちって、役割あそびで使うものを制作コーナーに作りに行ったり、台所とお世話の空間を行ったり来たりしたり、コーナー外に乗り物作って乗りに行ったり・・・・とかなり平面で動きます。
つまり、よく遊ぶ子であるほど、二階と一階を行ったり来たりしながら遊ぶというのはなかなか大変になります…そういう子ほど、二階は使わずに平面での遊びの空間を作り出すと思います。
机上のコーナーは、机上が苦手な子に行ってほしいし(こういう子は二階にわざわざ上がらない)、机上ばかりしている子には他のあそびにも来てほしいし(こういう子は二階から降りてこなくなる)ので、他のあそびも視野に入るような位置関係で、大人も目が届くような場所にある方がいいです(すべてのコーナーに関して言えることですが)。
あえてというのなら、絵本のコーナーですが、遊べない子たちがずっと絵本を読んでいたり、ゴロゴロしたりする空間にもなりがちなので、やっぱり、なかなか悩ましいのがロフトですね・・・・。
その他、設計の段階から廊下にいろいろなあそび場を設置するのもよく見かけますが・・・ほぼ意味がないです。
ここにかかった費用を遊具や棚などに使ったほうがどれだけ子どもたちのためになったか…と残念に思うのでした。
それなら、広めの空間にその時々でいろいろと工夫できるように家具や遊具を買った方がいいです。保護者が座って待てる空間、課題のある子たちが過ごせる空間、雨が続いたときに動ける空間・・・・。
(そもそもですね!!こういう園の職員に使い勝手を聞いたら、絶対に分かることが色々とあるはずなんです。
だから、設計事務所なり、保育園の設計までを行っている教材メーカーなりがちゃんとその辺りを後からリサーチして子どもと保育士の視点で改善をしていれば、もっともっといい保育園が日本全国に増えているはずなのに、使い勝手の悪い保育室・園が増えているというのはどういうことなんですかね。…と、このテーマになると腹が立ってくる)。
これから保育室を作る方(園)に確実に言えることは、何もない保育室が一番です。その方が、棚や敷物でその時々の子どもたちに合わせて自由に環境を作れる!!
枚田みのりこども園は、大人趣味の視点ではなく、子どもの過ごしやすい環境をいかに作るかに徹して作られています。設計事務所のこだわり(←これ、本当に要らない。これも言いたいことが止まらなくなるテーマ)ではなく、園として子どものため、保育士のための視点で作ることに徹しています。
その他、園全体でもかなりよく考えられているので、トップクラスで参考になるお勧め園です。
室内には作り付けの棚がなく、窓も高めに設置してあると壁が多くなり、コーナーはかなり自由に考えられます。
「子どもたちが窓から外を見れるから」と床までの大きな窓を作るところも多いですが、よく遊ぶ子は室内にいる時には外を見ていないです(××)
そして、外に行ったときにしっかり外を見たらいいですね(^^;