東京セミナー2022 第1分科会(担当制保育の基本) Q&A その⑤
Q 他児のあそびに入りたくて、遊びに誘ってもすぐ他児のところへ行き玩具で遊びません。どの様な声かけをしたら良いでしょうか⁇
A 何歳児の子かな?と思いましたが、どの年齢であっても確認したいことは、
・その子の発達
・環境
・援助や関わりのタイミング
●0歳児は、低月齢と高月齢ではあそび方が違うので、それぞれのあそびが保障される様にあそび(空間)を分けてあげられると遊びやすくなります。
●1歳児は、友だちと一緒に遊ぶというよりは、友だちの隣で同じあそびを楽しむ時期です。何人かが同じ玩具を使っても十分足りる数を用意していくことで、そこにやってきた子も同じあそびを隣で楽しむことができます。
●2歳児になると、だんだん友だちを求めるようになっていきますので、友だちと遊ぼうとするのは自然な姿でもあります。
ただ、一緒に遊べるようになるには、0歳からの一人ひとりのあそびの経験が必要です。
あそびの経験が少ない子は、苦手なことできないことを避けたり、友だちのあそびが魅力的に見える様で、“自分もやりたい!”と思って加わろうとするのですが、経験が不足している分、崩してしまったり、イメージが合わなかったり…とあそびを壊してしまうことも多いです。(本人はそんなつもりがなくても)
また、遊べない子たちが集まってしまいやすくもなります。
まずは、その子の今のあそびの段階を知ることで、その子に合ったあそびを一つずつ経験していける様にしていきたいです。
0歳児の時の練習あそびの経験は特に大切です。その経験が少なかった子たちの為にも、1歳児2歳児クラスでもいじりあそび(床スペース)は必要です。
●遊んでいる子の所に行こうとするたびに、保育士が止めて、別の所へ…が多くなっていないかも気をつけたいです。保育士の関わり方によって、その子のあそびは変わっていきます。
『Aくんすごく高く積んでるねー。ちょっと一緒に見てみようか。まだ、カゴの中に積み木たくさんあるよ。Bくんも出してきてやってみる?ここ空いてるよ。』と、保育士があそびを提供するばかりではなく、友だちの遊んでいる様子を見たり、自分で玩具を出したり選んだりできることを教えたり、あそび方・ものの使い方も学んでいけるような援助を意識したいです。
友だちのあそびに良い刺激をもらうこともありますので、やって来た場所でその子に合ったあそびを提供できると良いですね!自分がしたいことと全然違うことに誘われることが多いと、誘われたら逃げる…になってしまうかもしれません。
『この玩具、こんなことできるんだよー。ちょっとやってみない?』と子どもが“おもしろそう!”とやってみたくなるような(その子ができそうなことを)誘い続けてみてください!!大人にも根気が必要です!
そして、その子が玩具を手に取りあそんでいる時こそ、そこに目を向け、声をかけていきましょう。
あとは、その子に合った玩具が部屋にありますか?どれぐらいありますか?
高月齢児に合わせて玩具を増やしていくことは大切です。でも、基本的なあそびが十分経験できていない子もいるはずです。反対に、簡単すぎるものばかりでおもしろくない、ということもあるかもしれません。玩具の種類や難易度を豊富に用意しましょう。
(担当 河口)