乳児院でも!!
私の専門は乳幼児保育園なのに、時として、専門外の相談を受けます。
その中でも、乳児院はあまりにも仕組みが分からないし、担当制と言っても果たして勤務の関係でできるのか、その上、生活の環境にコーナーがあるのも想像がつかず・・・・分からないけど応援しています!!とエールだけを遠くから送っていた栃木県小山にある「すみれ乳児院」さん。
それでも、施設の職員さんたちは、お便りを読んだり、研修に参加したりしながらとっても頑張っていたくれたのですね。
見せていただいた育児の丁寧なこと!
子どもたちの表情の穏やかなこと!
子どもたち同士の関わりの穏やかさと言葉づかいの優しいこと…本当に言葉につまるほど感動してしまいました。
もしかしたら、保育園に来ている子どもたちの方がよほど情緒的に不安定かも…と考えてしまったほどです。
丁寧に言葉をかけてもらい、生活の一つひとつを教えてもらっている時間に流れている穏やかで幸せな空気。
あそぶ場所もちゃんとあり、そして、友達もいる。
赤ちゃんの頃から親元を離れ、何人かの大人にお世話をしてもらいながら施設での生活している乳児期の子ども達。
いつかは幼児施設に移動し、もしかしたら、親元に戻っていくかもしれない。優しい里親に出会えればいいけれど、厳しい人生が待っている確率は決して低くないはず。
そんな子どもたちが、人生スタートの数か月、数年を、こんな暖かな空気の中で過ごすことができたら、こんなに丁寧に関わってもらえたら、それだけでもこの子たちは生きていくために大切な何かをもらえているのではないかなーと思います。
もしかしたら、ここを退所したら、上手にご飯を食べたり、靴下を履いたり、手を洗うことなんて教えてもらえないかもしれない。だとしたら、ここで教えたことはあっという間に忘れてしまうかもしれないけれど、それでも、誰かがとっても丁寧に何かを教えてくれて「上手だね」「きれいになったね」「きもちいいね」って言ってくれたことは記憶に残らないぐらいの奥深くに残るかもしれない。
そうかー、だから、私たちは担当制を通して一人ひとりに丁寧に関わり、その子に必要なことを伝え続けているんだな―と、初心に戻るきっかけをもらいました。
こんな風に関わってくれる乳児院や養護施設が増やしていきたい。
もっともっとたくさんの保育園やこども園、幼稚園に担当制や子どもとの関わり方を学んでほしい。
私も頑張ろう♪と、とー-っても嬉しい一日でした。
(追:ちなみに、今ではハンガリーのすべての乳児保育園で当たり前の仕組みとして取り入れられている担当制(乳児の保育指針にも明記されています)、もともとはハンガリーの乳児院に関わる専門家によって考え出されたものです。このことについても、いつかちゃんと書かないとですね。担当制は、日本のどこかの誰かが考えたシステムではありません。)