夏の終わり
ハンガリーは新学期のスタートです。
今年度はどの学年も順調に新学期を迎えられそうで、三男もブタペストの大学に行くために引っ越していきました‥‥悲しい。子どもが大きくなるのはあっという間ですね。
でも、悲しんでいても仕方がないので、今度帰ってきたら持たせられるようにレチョー(ハンガリー版ラタトゥーユ)でも瓶詰にしてあげよう!と八百屋に行ったら、なんと、トマトが驚くほど高くなっていました。
つい先週まで山のようになっていたので、すっかり油断していました。
夏野菜は旬が終わると、あっという間に高くなって、味が落ちます。この味の落ち方は見事で、旬の野菜がいかにおいしいのかを実感させられます。(こうなると、冬に温室でおいしい野菜を作る努力というのはした方がいいのかどうか、よく分からないなーなどと思ってしまいます。)
トマトも値段が二倍ぐらいになっているのはまだ旬の甘さのありそうな大き目なもので、触ってもいい感じの柔らかさです(上)。煮込むといい感じで実が崩れてくれます。
値段が低めなのは、完熟の一歩手前な感じの、見た目はちょっと赤みが薄く、切ったら緑な部分もありそうなかたさ。これ以上はきっと熟れないんだろうなと思わせる手触り(真ん中左)。煮込むと固い青臭い部分が残ってしまう。
よく熟れて肉の厚い水分も多そうなパプリカも山になっていたのに(写真の、色のついている方)、今日行ったら、すでにちょっと旬のずれたような固めの、緑がかった小さなもの(写真の右下のあたりのもの)がメインになっていました。
パプリカもトマトも一年中あるけれど、でも断然おいしいのは旬のもの。
日本でも、一年中あるけど、この時期だからおいしい!ってありますよね。
畑が近くにある子どもたちは、この時期だからあるけど、少し経つともうなくなっている野菜や植物があるし、新しく植わっているものもある…というのも見ているはず。
…見ているけど、毎日の光景で、当たり前すぎるので、気が付いていないかもしれないです。
秋のことを話そうと思ったら、夏のことも知らないと。
夏の特徴があるように秋にも特徴があって、でも、突然、夏から秋に変わるわけではなくて、だんだんと季節は移り変わっていきます。
夏の終わりだねー、秋の気配だね、味の味だね、秋の空気だね‥って私たちが感じる、その感じを、ぜひ子どもたちと探してください。伝えてください。
東京の真ん中でも、きっと色々な夏の終わりが見つけられるはずですよ。
田舎だったらなおさら!!
柿は突然真っ赤になるわけではないですし、ヒガンバナは急ににょきっと生えて真っ赤な花を咲かせるわけではないですよね。
日本はまだまだ暑いようですが、でも、もう「残暑」。
今年の夏の終わりはこれが最後。「夏の終わり」もしっかりと見届けましょうね。