担当制は人がたくさん必要?

「担当制=人がたくさん必要」と思っている方(園)が一般的ですか?

もし、ちゃんと担当制が行えていれば、逆に大人が少なくてもすむ方法です。年度の終わりになるとサポートで入っていた大人がクラスにいなくてもいい時間帯が増えてきます。

(逆に、担当制をしていない園に行くとクラスに入っている大人が多くてびっくりします。)

1歳児の12人クラスだとしたら、担任2人にサポート・補助(多くの場合はパートさん)1人が必要な場面が多くあります。でも、あくまでも担任は2人です。

1歳児18人クラスの場合、担任は3人。サポート・補助は必要な時間帯に入ります。

どちらも室内遊びが落ち着かなくて大変な時間帯に入ってもらったり、お布団を敷くタイミングで入ってもらうことになります。

担当制の日課づくりで勘違いされているのかなーと思うのが、「担当の大人と担当児みんなが一緒に動く」という点です。

例えば・・・

1歳児12人クラスの園庭への流れ

保育士A(6人担当)  自分の担当児①に声をかけて、靴下を履く―帽子をかぶる―靴を履く―を援助して外へ送り出します。 外には、多くの場合はサポート(補助)の先生がいます。

(もし、新年度で補助の先生が保育室から抜けられないような状態の場合は、主任や乳児全体のフリー、園全体のフリーなど、誰かが園庭にいるようにします。)

こうして、保育士Aは一人ずつ、外に送り出していきます。決して、”一人ずつに「外に行くよ」と声をかけて担当児を集め、一緒に着替えをさせて外に送り出す”ということではないです!!!

担当制の意味は、着脱や食事などをその子に合わせて介助をしながら、その子に必要なことを教えていくところにあるので、声をかけるのが一人ひとりで、肝心の着替えの場面などが一緒では意味がありません。

一人ひとり…なので、園庭に出る流れも入室の流れも時間がかかります。

一歳児クラス12人でしたら、外への流れは全員を出すのに30分以上かかると思います。入室は、もし、入室時に着替えやおむつ交換をセットにしている場合(靴を脱ぐ―靴下を脱ぐ―帽子を脱ぐ―おむつ交換・着替えをする―手を洗う―入室)、12人で1時間半ぐらいはかかるとみておいた方が良いかもしれません。

入室に1時間半・・・と想像するとクラっと来るかもしれませんが、子ども達を見てみると、自分の育児の時間以外は園庭で、もしくは、室内でずっと遊べます。そして、1対1、もしくは、2対1(主に2歳児クラス)で大人に関わってもらえる時間もあります。

園庭のあそびや室内のあそびは、もう一人の担任とサポートが見ています。

保育士Aは育児が終わったら室内のあそびを見るために室内に残り、保育士Bが育児に入ります。園庭の子どもが少なくなってくる頃には室内の子どもが増えてきています。もし、園庭に2歳児の大人がいて残りの1~2名を見てもらえるようなら、サポート(補助)は入室してあそびを見ます。

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この辺りは「改訂版 より丁寧な保育を考え始めた園へ」に詳しくあるので、ぜひ参考にしてください。

「担当制をしています」「担当制をしている保育園にいました」という保育士さんにはたくさん出会いますが、きちんとした担当制をしている(していた)人に出会う確率はかなり低いです。

というわけで、静岡セミナーでは乳児保育(担当制保育)の超初心者向けの分科会も作りました。「保育経験はあるけど担当制が初めて」という方はぜひ参加してみてください。…といっても、お便りの読者が対象でした・・・(案内もお便り春号に同封されています。お便りの申し込みはホームページのトップページからもできます。)。

より丁寧にやり取りできるように・・・と定員も少なく設定しています。希望される方は早めにお申し込みくださいね。