Q&A 「担当の保育士によって差が出るのでは?」
これも、担当制に躊躇する方・園が気になる点ではないかなーと思うので紹介しますね。
Q. 経験を積んだ保育士と新人の保育士では力の差があり、子どもへの働きかけに、そして、子どもの発達にも影響が出るのでは?
A. まず、保育士の仕事を選んでいるのだから、新人だから子どもとの関わり方が全く分からない…ってことはないと思うのですよ。
保育士の仕事は絶対したくない、できない!!という人たちの中には、子どもを目の前にしても、いったいどうしたらいーか分からない・・・中には、声のかけ方も分からない人もいると思います。
でも、保育士の職業を選んだ人は、普通は(もちろん、例外的な人もいますが^^;)子どもに声をかけることはできると思います。「この子たちの面倒を見ないといけないんだ」ということも分かっていると思います。
具体的にどう関わったらいいか分からない、何をしたらいいか分からない…というのはどんな職業でも同じなので、保育士としてお給料をもらって仕事をするからには学んでもらいましょう。そのために先輩がいます。主任や園長も。
それに、新人さんや若い保育士だからこそ、熱心に、丁寧に子どもを理解しようとしながら関わるという面もあります。
経験を積んでいる保育士さんは、てきぱきと仕事ができたり、段取りもうまかったり、子どもたちの行動の予想がついたりするかもしれませんが、それ故の雑さがあったりします。子どもや保護者を決めつけてしまったり。保育への固定観念がとれにくい人もいますね。
経験を積んだ保育士さんの担当児だからよく発達し、若い保育士の担当児だから課題が多く残った…ということはないと思います。・・・というよりも、どんな保育士が担当をしたとしても子ども達がきちんと成長・発達していけるようにするのは園の課題になります。
あそびの環境はクラスで考え、あそびは担任で見ていくので、クラスとしての課題になります。(育児は担当が、あそびはクラスの担任が見ます)
生活の場面で個々の発達を見ながら関わる…という点に関しては、当然、援助が必要だと思いますが、でもそれは経験のある保育士の場合でも同じです。
「経験がある=子ども個々のことを理解し、上手に関われる」とは言えないと思いますよ。それよりも、担当を持つことで、担当は子ども個々のことがよく分かるようになり、その子に合った関わりができるようになります。
「新人保育士に担当をもたせて大丈夫だろうか…」と心配する園があるとしたら、答えは「持たせましょう」です。
その方が、最初から保育をしっかりと覚えることになりますし、体の動かし方や子どもとの関わり方を実際に学ぶことになります。
最初の一年なので、必死になって覚えてくれると思います。
「新人には担当を少なめに持たせた方がいいですか?」という質問への答えは「いいえ」です。
6対1なら、6人を担当してもらいます。その人数の子どもたちを時間内にきちんと外に出したり、おむつ交換をしたり、食事をすすめたり…を経験することで、段取りやテンポなど、関わり方のコツも覚えていきます。
もちろん、先輩や主任はきちんと丁寧に教えていきます。