環境を通して伝えたいこと
あんじゅの里こども園(岡山県) 4歳児クラス 9月の終わり
とにかく、きれい。そして、遊びやすそう。
でも、今回、ドキュメンタリー映画「プリズン・サークル」(この前のブログ「子どもと関わる全ての人に見てほしい」にあります)を観てから改めて思ったのは、家族が機能していない環境で育っている子どもたちにとって、これがどれだけ大きな意味を持っているか!!!
「家族・・・家庭が分からない」という人がいる。こう感じている人達は私たちが想像している以上にたくさんいるはずで、見かけの家庭は整っていても中身がない中で育った人もいるだろうし、見かけも何もない中で育っている人たち(子ども達)もたくさんいる。
地域によっては、クラスの大半の子どもがそういう環境で過ごしているということも決して珍しくない。
そういう子どもたちにとっては、保育室のこんな空間は、ただの楽しく遊ぶ環境、家での出来事を思い出す環境以前に、お台所ってこんな感じなんだよ、居間ってこんな感じだと居心地がいいんだよ、きれいだね、を伝えている場所なんだろうなーと。
実際にはそんな経験のない子ども達でも、ここで、他の子ども達とのやり取りをしながら、子どもなりにたくさんのことを学ぶだろうし、身に付けると思う。
(同じくあんじゅの里こども園 4歳児クラス)
保育室が清潔なだけでなく、整っていることは、たくさんの子ども達にとって生活環境の見本になる。
物には位置があり、使いやすく配置しておくことで、そして、そこにいつも皆が戻すことで、気持ちよく使えること。
日本人はきれい好きだとは言うけれど、整理整頓の苦手な大人がものすごく多い気がするのは、保育園環境の影響ではないのだろうか??と常々思っている。もし、こういう環境で6年間育つことができたら、整理するコツを身に付けたり、整った環境を作ろうとする感覚が育つのではないだろうか・・・。
それに、大人が子ども達のことを考えながら遊具を選んだり配置してくれていることは、子ども達にも伝わる。それは、大人になって子どもと関わったり、親になった時の下地になるはず。
(あんじゅの里こども園、幼児の廊下にあった、季節の収集コーナー)
家族が身近な世界を伝えてくれているところの方が少なくなっているんだろうなーと考えると、こういうことも、ただの収集コーナー以上の意味を持っている!
保育園がこういう基本的なことを伝えていかなければ、知らないことがいっぱいの大人、知らないことがいっぱいだから知ることをあきらめてしまう人達(知らないことが多すぎて、つながらなさ過ぎて)もきっといると思う。関係ないや、知らなくたって生きていけるって思ってしまう人達も。
保育って本当に奥が深い!!
そして、子ども達が少しでも生きやすくなるようにやりたいこと、やらないといけないこと、たくさんありますね!!