保育室のキッチン

今、お便りの秋号の中を書いているところですが、その中で「キッチンの0歳から5歳までの変化」をまとめてみています。これがまた奥が深いんですね~。

これはまとめたほうが良いなーと思ったきっかけは・・・

「0歳って台所いるんですか?」と聞かれることがある半面、低月齢の0歳児しかいないのにキッチンのある0歳児クラスがあること。もう一つは、幼児クラス用のとっても豪華なキッチン家具セットを発見してびっくりしたこと(ネットで検索していたら出てきた)。

こんな豪華なキッチン、本当に幼児クラスにいると思うのかな・・・・つまり、キッチンは意外にも0歳から5歳まで、意外な悩みどころなのかも・・・と思ったのでした(意外なというのは、分かりやすそうで、実は分かりにくい)。

0歳児のキッチン

0歳でキッチンはいらないのでは?と思うのは、たぶん、そこまでは分からない年齢だろうから、0歳児クラスではいらないのでは…と思うのでしょうね。

でも、0歳児クラスに入園の4月の時点ですでに一歳になる子もいる…ということは、年度の半ばには1歳半、年度末には二ほぼ二歳です。

お鍋を見て「何かいれるものだな」と思ったり鍋のふたを「これはここにぴったり」と合わせたり、鍋に何かを入れて蓋をしたり、お玉ですくってみたり・・・・と、再現の前の段階のようなあそびを盛んにし始めます。台所に流しがついていれば、水道を思いだして手を洗う真似をしている姿も見られるようになります。

・・・ということは、0歳の最初からキッチンが必要ということ?と思うかもしれませんが、0歳の前半はまずは生活を覚えたり、基本的な遊具であそんだり…ということを盛んにしますから、キッチンまでは必要ありません。

お人形やお布団のある近くの棚に、コップ、レンゲ、お皿、プラスチックや木の食材がいくつかあれば十分です。…つまり、逆に言えば、こういうものは0歳児でも用意していきましょう!

月齢の高い子たちがどれぐらいいるかにもよりますが、秋の後半や年明けぐらいからは簡単なキッチンを用意してあげることができます。いずれにしても1歳児クラスでは台所とお世話のコーナーが出てきますから、0歳の後半では簡単なキッチンは出しておきます。キッチン周りには色々な道具(お玉やまな板、包丁)があります。そんな物の配置に慣れておく意味でも、でも、あくまでもシンプルに用意します。

年長のキッチン

逆に、年長さんのキッチンって、年齢が上がっているからとても複雑に、いかにも家庭に近いものになっている必要があると思いますか?高級そうなシステムキッチンとか家具とか揃えたほうが、よりあそぶのかなーと?

年齢が上がるにつれて、子どもたちの経験は広がっていきます。家のなかの生活が中心だった乳児期から、家以外での経験・関心が広がっていきます。幼児期になると、子どもたちは家庭でのあそびもしますが、家庭以外でのあそびを盛んにするようになります。キッチンは、時には家になり、時にはレストランになります。病院とつながって調理室になることもありますし、給食室になることもあります。つまり、クラスとして用意していく必要があるのは、家庭のキッチンよりも、それ以外の道具や場面です。

いろいろなお店、旅行の経験、災害などの再現、家庭での驚きの出来事…などなど、子どもたちが日々経験していること、気になっていること・解消したいと思っているストレス、嬉しくてもう一回再現したいこと・・・をあそびの中で再現できるように環境を整えていきます。

つまり、幼児・・・年長の台所にはもちろん乳児期とは違ったものが必要になりますが(はかり、湯沸かしポット、炊飯器…といった台所器具、季節や行事に合わせた食器)、それ以上に、役割あそび全体の道具やあそびのアイデアが必要になっていきます。

ちなみに、キッチンの変化が一番激しいのが1歳児クラスですね。原稿を書きながら、なるほどね―なんて納得しました。お楽しみに♪

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